実は、PCのOSをリリースされたばかりのバージョンにすぐにアップグレードしてみたり、最新パッチ当ててみたり、その他、結構大胆にチャレンジングなPCのいじり方をしてしまう方なのですが、その割には、バックアップのWindowsマシンを持っていないというか、これまではなんとか乗り切ってきたものの、仕事にも使っている関係上、起動しなくなった、とかはシャレにならんと気づきまして、とにかくリモートデスクトップで会社環境に接続できる程度のスペックの安くて簡単なPCを買っておこうと、ふと思い立ち購入したものです。
数年前に新しく一式パーツを揃えて組み立てた自作のデスクトップPCで、時々メモリを追加したり、グラフィックボードをより良いものに買い替えたり、SSDとか起動ディスクを新しい企画のものに置き換えたり、とグレードアップして数年使っていますが、考えてみれば、その都度多少のトラブルに見舞われたりして、これまではなんとか乗り切ってきたわけですが・・・。
会社では、モバイルクラスのノートPCを貸与されて使っていて、これを会議などのときにはそのまま、デスクにいるときはクラムシェル状態で20数インチのディスプレイに接続して使っていて、なんとなれば持ち帰ることもあるわけですが、移動中に壊してしまう可能性だってありますし、そもそも、重たいわけです。
で、持ち帰らなかった時に限って急用で接続が必要になったり、なんらか作業が必要になったりすることがあって、結局、家では、そのメインのデスクトップPCにVirtualBoxで仮想Windows環境を作って、その上にさらにリモートデスクトップ環境を作って会社環境に接続するようにしています。
が、メインのデスクトップPCをちょくちょくいじりますので、そうすると、起動しない!!みたいな惨事に見舞われた時に、もれなく仕事もできなくなるという事になってしまいます。
さすがにいい年して、急にパソコンが起動しなくなってしまったので、ゴニョゴニョとか言えないので、何かあっても少しでも接続できるように、ということで、とにかく余計な機能は不要で、リモートデスクトップ接続で普通にビジネスアプリを動かして困らない程度のスペックのPCを買っておこう、と思い立ったものです。
ノートPCを見ていたら、そうは言っても5万、6万はかかりそうですが、ふと見るとミニPCという選択肢があることを思い出して、いくつか調べてみて、結局、このCHUWIというメーカーのHeroBox Proというやつにしました。
いわゆる中国系の端末は、しばしば数千円もの割引クーポン付きで売っていて、割引後が実質的な通常の小売価格に見えるような売り方をしていますが、これもそれで2万円と少しの価格で購入することができました。
Proという方がスペックは良さそうに見えたので、そちらを購入しました。
そのへんの選択については後ほどご紹介します。
ということで、CHUWIのミニPC HeroBox Proのご紹介です。
もくじ
1. 概要・スペックほか
実は、購入したのは少し前になります。
で、たった今見ると、HeroBoxというProがついてないバージョンのものはすぐに見つかるのですが、HeroBox Proというバージョンはなかなか見つかりません。
いま(2022/1/16時点)見つかっているのはこちら、Amazonの商品ページです。
CHUWIって、ツーウェイって読むんですね。
きちんと日本語のウェブサイトを作られているようです。
スペックシートのページは英語ですね。まあ内容的には英語でも日本語でも変わらないようなものですが。
で、なおかつこの手の中国系のメーカーのスペック表記は、普通に間違いというか、意図的なのか知りませんが、正しくないものも混じっています。
そもそも、Amazonなどで検索していただくと、ショップが違うものが複数ヒットしますが、それでも細かいところに違いがあって、そもそも商品はどういうラインナップがあって、どれが正しくて、みたいなことが判然としないところがあります。
ですので、スペックシート自体もあまり当てにならないところがあると思われます。
そういう前提で、いくつか引用紹介したいと思います。支障ありましたらお知らせください。
繰り返しますが、スペック自体は、誤りなどが混在している可能性がありますので、くれぐれもご注意ください。
Basic information | Brand: CHUWI Model: HeroBox Pro OS: Pre-installed Windows 10, compatible with Linux CPU: Intel Jasper Lake N4500, 10nm Core: Dual Core, 1.1GHz-2.8GHz GPU: Intel UHD Graphics Gen9, 12EU, 750 MHz Battery: CR2032 |
Storage | RAM: LPDDR4 8GB ROM: 256GB SSD TF Card Extended Storage: MAX. 128GB (Not Include) SATA Hard Disk Expansion: MAX. 2TB ( Not include) About Storage: The actual available internal storage may differ depending on the software configuration of your mini pc. |
Network | WIFI: 2.4G/5G WIFI, IEEE 802.11b/g/n/ac Bluetooth: BT4.2 RJ45: Support, Gigabit Ethernet |
Connectivity | SATA HDD: Bulit in, MAX. 2TB MicroSD Card Interface: Yes USB Interface: 2*USB-A 2.0, 2*USB-A 3.0 Type-C Interface: Support USB2.0 HD Interface: Type A*1, 2.0 3.5mm Headphone Jack: Yes DC Interface: For power |
General | MIC: 2PCS HOST: Support Language: English, Russian,Spanish, Dutch, French, Portuguese, German, Italian and etc. |
Dimensions | Size: 187.6*138.3*37.3(H)mm Net Weight: about 590g |
Package Contents | 1* Mini pc 1* 12V 2A DC charger/ cable 1* VESA Bracket 1* User Manual 1* Warranty Card |
目を引く特長の記載をコピーしてみました。
より快適な動作を実現、驚きの高性能ミニPC
HeroBox Proは軽くて薄いデザインなので、オフィスのデスクではもちろん、会議室でもお使いいただけます。7.4×5.4×1.5インチのボディはスペースを取らないため、どこにでも持ち運べます。
本体サイズは7.4×5.4×1.5インチ。CNC加工のアルミ合金でありながらわずか0.97Lで、従来のPCより90%軽いコンパクトなボディです。
CNC加工
軽量薄型ボディ
2021年リリースした最新プロセッサJasper Lake N4500を搭載し、反応速度がより速くなります。最大消費電力6Wの省エネ設計で、長時間使用可能。
インテル第11世代のGPUは16基の実行ユニットでCPUクロック周波数750MHz、前世代の2倍の速さを実現。4K動画をデコードし、最高品質の画像を再生できます。
4096X2160 出力
750Mh クロック数
4K VP9 10bit 動画視聴可能
HeroBox Proは256GB SSDと2.5インチHHDを内蔵しており、大容量データをたっぷりと保存することができます。8GB LPDDR4メモリでタスク切り替えの転送効率も50%アップ。
デュアルバンドWi-FiはLEEE802.11ac規格で2.4G / 5Gをサポートします。5Gはインターネットの超高速化を実現し、2.4Gはより安定した接続を確保。さらに、RJ45ギガビットイーサネットを搭載しており、1秒間に1億ビットのデータを送ることが可能です。
2.4G/5G デュアルバンドac
ギガビットイーサネット
HD2.0とVGA端子でモニターを接続すれば、作業効率が大幅にアップ。また、高速のType-Cスロットに加えてUSB 3.0を2口、USB 2.0を2口装備しており、日常生活レベルでのニーズを満たします。
HD2.0 4096×2160@60Hz
Type-Cポート
ディスプレイの背面に取り付けてオールインワンPCとして使用することも可能です。
HeroBox Proは熱伝導性アルミニウム合金を使用して、本体温度の上昇を抑えています。省エネ仕様なので、長時間使っても温度を効率的に安定させることが可能です。4時間連続使用しても約34℃を維持できます。
2. 使ってみて雑感
いつものできの悪い写真でいくつか実物を紹介。
りっぱなビニールシートに包まれています。
ダンボールのような色の大変シンプルな外箱です。
このご時世これで十分な気がします。
これまたシンプルなパッケージです。
下に、よくある紙のものが入っているやつです。
こういうのはAppleのパッケージングがまんまスタンダードになりましたね。
このドキュメントと付属品を見ると、上のスペックシートの最後のPackage Contentsの記載は間違っていないですね。
実際コンパクトです。軽いです。
付属の道具でディスプレイの後ろのところVESA規格のところにマウントできるというのもなるほど、という感じです。
さすがに上で紹介している商品ページにある拡張端子類の写真は間違いないようです。
スペックシートの記載に間違いはなく、この大きさにまあまあの拡張性です。
HDという記載はわかりにくいですが、HDMIのことですね。
いちおうVGAもありますし、有線LANもありますし、マイクロSDカードもさせるようになっています。
USB3が2つUSB2が2つというのも良いですね。
USB-Cがありますが、上のスペックシートにはUSB2と書かれていて、でも文章には高速のType-Cスロットと書かれていますし、これはちょっとよくわかりません。
3.5mmのオーディオ端子があるのも良いですね。使う場面は想像しにくいですが。
背面はこんな感じです。
拡張できるんですかね。
これは良いな、と思ったポイントは以下です。
- Windowsをなんとかあまりストレスなしに動かせるのはメモリ8G以上だと考えており、最低サイズは満たしていること
- HDMIかつ4Kディスプレイに表示できること
- Bluetoothを内蔵していること
- USB3.0×2、USB2.0×2、USB-C、マイクロSDカード、と拡張性が非常に高いこと
- Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)に対応しており、かつ、有線LANにも対応していること
- 軽量で簡単に持ち運んでディスプレイのあるところで使うことができること
HDMIケーブルでディスプレイに繋いで、ACアダプタで電源確保して、で電源オンするとなんと言うこともなくすんなり起動しました。
ノートPCだとディスプレイから入出力ツールまで一体ですので起動すれば何ということもないですが、デスクトップPCの場合は、起動してるみたいだけど、なんか映ってない、とか、マウスが動かないとかなにも打てないとか、まあいろいろ発生しますが、少なくとも今回はすんなり起動して画面にも映し出されました。
画面も変な映り方ではなく、きちんと4Kディスプレイに4Kできれいに映し出されていました。
使っていないBluetoothのマウスを繋ぐとすぐに接続できて使えるようになりました。
キーボードも、愛用しているLogicoolのMX800がすんなり繋がりました。
ということで、なんの問題もなく起動完了で何かはできる状態に。
もちろん、設定が始まるので、普通にWindowsの設定で、日本語選んでタイムゾーン選んで、といった格好で順番に設定していくときちんとした日本語環境が完成します。
ここからまたWindowsのアップデートが動き出すのですが、さすがに、そんなに力のないCPUですので、時間がかかります。
ただひたすら待つと完了します。
本当に何ということもなく使える状態になります。
さらに、メインデスクトップPCもWindows11にしてあるので、同じく、アップグレードすることに。
そうそう、CHUWIの端末でしばしばOSが認証されていない、認証されない、という問題が生じるようですが、今回の私のケースでは、全く問題なく認証済になっていました。
で、見てみるとWindows11対応とはっきり出てきますので、そのままアップグレード。
これまた一生懸命作業してくれて、少し時間かかりますが、Windows11へのアップグレードまですんなり完了です。
なにかトラブルの1つもあるかと思いましたが、あっけなく、すんなりでした。
そうですね、率直に言って、そんなに早くないです。
当たり前ですが。
メインデスクトップPCはCPU中心としたアーキテクチャは少し古いものになりますが、メモリもかなり積んでいて、OSのディスクはNVMe接続のM.2 SSDにしてあり、それに2.5G BASE-T環境にしてありますし、グラフィックボードもゲームやらない中ではnVidiaのまあまともなものにしてありますし、ストレスゼロです。
それに比べてもしょうがないとは思いますが、それでも、少し、一瞬待たされる感じがあるのは事実です。
とはいえ、普通にWebブラウジングしているときやリモートデスクトップ接続しているところでビジネスアプリを動かしたりするところでは、ほぼ違和感は感じないで操作することができます。
そういった使い方、用途を前提に考えれば、全く問題ない、というか十分に使えるマシンになっていると思います。
潔く、なにもありません。
ピュアなWindowsのみ、余計なソフト(アンチウイルス系とかOffice系とか)は一切ありません。
気持ち良いです。
しばらく動かしてみてはたと気づきました。
そうです、ファンがずーっと回っているのです。
で、こいつがお世辞にも静かとは言えない、のです。
うるさいかと聞かれると、他に音楽流していたり、TVついていたりすれば気にならない程度だと思うのですが、通常の私の環境の中では、少し「聞こえるな」という感じがあるものです。
ProのほうがCPUだか何かが少し良いもので、そのせいかファンが付いている、ということのようで、Proじゃない方はファンがないので、そのほうが人気がある、という話も目にしました。
まあ後で気づいたので、しょうがないです。
常時使う予定はなく、緊急用というのがメインで、あとは、家族でなにか調べて一緒に決めたいことがある場合などは、サクッと動かしてリビンクのTV画面にでも映し出して、という使い方くらいかなと思っており、問題なしです。
で、いま(2022/1/16時点)は、Amazonで普通にHeroBoxと検索すると、Proじゃない方、ただのHeroBoxがヒットしますね。
ファンなし、ときっぱり書いてあるので、やっぱりその点が世の中では言われている、ということなんでしょうね。
CPUか何かの違い(どうもはっきりしない)と言っても、おそらく体感できるほどの差はないのだろうと思います。
すごく良いと思いました。
2万円と少しで、このPCが手に入ると思うと、ありがたいものだと思います。
用途については制限はありますが、ゴリゴリゲームをやる方や、動画編集などをされる方は、最初から検討する対象ではないのは明らかです。
Webブラウジングやビジネスユース、ストリーミング音楽再生用とかでしたら、なんの問題もなしです。
BluetoothやらUSBやら充実していますので、きちんとしたスピーカーにつないだり、それから、デジカメのマイクロSDカードをサクッと画面に写してみんなで見たり、そういった使い方なら全然ありです。
この価格でこの使いでなら、すごくありの商品だと思います。